エビネ属 Calanthe R. Brown

ナツエビネ Calanthe reflexa Maximowicz

【分布】本州・四国・九州。朝鮮・中国。
夏に咲くのでナツエビネの名がある。花がないとエビネとまぎらわしい。 葉の色がやや薄く縦のしわが深いこと、葉柄の基部が広く葉が4〜5枚あることから、見なれると区別できる。ただし青森県内の自生地は限られている。
■環境庁(VU)、青森県(B)。細井(A)、沼田(EN)。
(1985年8月13日。蟹田町。)
(1988年8月6日。植栽。)


サルメンエビネ Calanthe tricarinata Lindley var. torifera (Schlechter) F. Maekawa

【分布】北海道、本州、四国、九州。台湾・ヒマラヤ。
寒地性エビネで青森県では海岸の雑木林からヒバ・ブナ混交林に普通に見られた。しかし最近では乱掘により、めっきり数が少なくなった。エビネのように群落は作らない。
■環境庁(EN)、青森県(A)。細井(B)、沼田(VU)。
(1985年6月2日。今別町。)
(1988年5月21日。植栽。)


キンセイラン Calanthe nipponica Makino

【分布】北海道、本州、四国、九州
寒地系エビネで夏咲きである。全体に小型で葉は細長い。ヒバ・ブナ混交林に見られるが、やや希なものに属する。
■環境庁(EN)、細井(A)、沼田(EN)。
(1986年7月19日。蓬田村。)
(1985年7月13日。青森市。)


エビネ Calanthe discolor Lindley f.rosea (Hatsusima) Honda

【分布】北海道南部・本州・四国・九州・沖縄。朝鮮(済州島)。
県内、低山の雑木林に普通。ヒバ林にも生えている。しばしば群生する。
■環境庁(VU)、青森県(B)。細井(C)、沼田(NT)。
(1986年6月8日。市浦村。)
(1988年6月11日。青森市。)


イシヅチラン Calanthe plicilabella Nagano et Saegusa

【分布】本州・四国。
エビネとサルメンエビネの自然交雑種と考えられるものである。青森県内でもごく希に見られるが、どういうわけか六ヶ所村周辺からの発見が多い。 青森県での最初の発見者は、六ヶ所村尾駮(おぶち)在住だった故吉崎竹次郎氏(1909年生まれ)であろう。 氏は1971年自宅近くの海辺マツ・雑木林でエビネ・サルメンエビネの混生地に見つけている。 そして翌1972年には海抜約200mのヒバ林でも見つけている。 しかし変わったエビネの評判とともにマニアが殺到、周辺の山が徹底的に荒らされたと嘆いておられた。
■細井(A)、沼田(CR)。
(1985年5月19日。植栽。)
(1987年5月19日。植栽。)
(1987年5月27日。植栽。)


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