ツツジ科ツガザクラ属 Ericaceae Phyllodoce Salisbury
アオノツガザクラ Phyllodoce aleutica (Spreng.) A. Heller

アオノツガザクラの花(八甲田山)>

木本であるツツジ科植物は開花まで年月がかかる。従って実験途上での発表が多い。 矮生小低木を中心に述べるが実験は継続中であり、成績は毎年更新する予定である。 なおツツジ科植物は挿し木のできるものがあり、その成績もあわせて述べる。 またツツジ科植物の播き床は、ほとんどの場合ミズゴケが優れている。

【実生1】
  • タネ播き日:2005/09/11
  • 播き床:ミズゴケ
  • 撮影日:2006/07/13

    [メモ]
    @採り播きと、A春播きの両者を試みてみた。採り播きすると当年中に発芽するものがある。
  • 【植え替え】
  • 植え替え日:2007/05/14
  • 植え替え用土:鹿沼土3、赤玉土3、桐生砂1、十和田砂1の混合用土
  • 撮影日:2007/05/22

    [メモ]
    発芽苗が小さすぎこの例では2年目に植え替えをした。 なおその後も実験を繰り返し、現在は1年目で植え替えている。鉢は6.0cmプラポット。
  • 【3年目】
  • 植え替え日:2008/04/09
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2008/08/22

    [メモ]
    3年目に入るとかなり成長した。鉢は8.5cmプラ4連結鉢である。

  • 【4年目】
  • 植え替え日:2009/04/20
  • 植え替え用土:基本混合用土5、ピートモス1
  • 撮影日:2009/05/26

    [メモ]
    アオノツガザクラとエゾノツガザクラの区別は、花が咲いていないと難しい。 ただアオノツガザクラは秋になると、実生苗の下葉が茶褐色(紅葉?)になる傾向が強いと感じている。
  • 【5年目】
  • 植え替え日:2010/04/11
  • 植え替え用土:基本混合用土3、蝦夷砂1
  • 撮影日:2010/06/22

    [メモ]
    鉢は9.0cmプラポットである。5年目でも開花しなかった。なお実生1とは別に、実生2(2007年タネ播き)も実験継続中であり、結果が出次第掲載する予定である。
  • 【6年目。開花】
  • 撮影日:2011/05/16

    [メモ]
    6年目で手持ち苗9株中、1株が開花した。

  • 【実生2】
    実生1は八甲田山系の種子で実験したが、次に秋田駒系の種子を用いた実生2を紹介する。播き床はミズゴケ。 発芽苗の生育は用土床播きより良い。厚播きの場合は間引きを繰り返す。発芽苗に体力をつけ2年目に植え替えた。植え替え用土は基本用土を中心とする。 以後毎年鉢増しの植え替えを繰り返した。そして手元に残っていた10株中2株が5年目で開花した。
    タネ播日発芽確認日初回植替日植え替え日開花撮影日
    2007/10/022007/11/172008/07/132009/04/17
    2010/04/12
    2011/05/01
    2012/05/21


    【挿し木】
  • 挿し木日:2009/05/31
  • 挿し床:
     @鹿沼土
     A市売の挿し木用用土
  • 植え替え日:2010/04/10
  • 植え替え用土:基本用土

    [メモ]
    エゾノツガザクラより難しい。過去にも試みたことがあったが、良い挿し穂を取れず成功しなかった。 そこで今回は実生1の生育株から、元気の良い枝をとり挿してみた。@Aのそれぞれの用土に6本ずつ挿し、両用土共3本ずつ発根し計6本に成功した。 鉢はプレステラ105である。

  • [まとめ]
    1. 播き床はミズゴケ床がベスト。種子は採り播きすると年内に一部発芽する。
    2. 1年目でも植え替えはできるが、霜柱で根を傷める可能性がある。間引きをして発芽苗を充実させ、無理せず2年目植え替えるのが安全というのが最終的結論。
    3. 植え替え用土は基本用土を中心に、蝦夷砂、鹿沼土などを混じている。うまく行けば5年目で開花が期待できる。
    4. アオノツガザクラは実生・挿し木共、エゾノツガザクラよりやや難しい感じを受ける。

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