キキョウ科ホタルブクロ属 Campanulaceae Campanula L.
イワギキョウ Campanula lasiocarpa Cham.

イワギキョウ(羊蹄山)
イワギキョウの果実(栽培品)

イワギキョウは人工授粉をすると20〜25日くらいで種子を作るようである。果実(刮ハ)には、褐色にしぼんだ花弁が残りさえない。 しかし子房が膨らんでいれば、中で種子が熟している。イワギキョウと類似にチシマギキョウがあり、同じような場所に生えている。 チシマギキョウはイワギキョウよりやや大きく、強靭な感じを受ける。花弁に毛があり斜め横向きに咲く。 (つぼみの状態ではそれほど横向きでないが、開花すると花の重みで頭をたれ、結果として横向きとなる。) これに対しイワギキョウは花弁に毛がなく花は上を向いて咲く。葉の姿も違い慣れるとすぐ区別がつく。

【実生】
  • タネ播き日:2003/09/10
  • 播き床:鹿沼土、赤玉土、桐生砂の混合用土
  • 撮影日:2004/06/28

    [メモ]
    上記用土に採り播きした。秋になってからのタネ播きなので一部発芽しても成長は鈍い。 2004年春になると発芽数は増えた。
  • 【2年目】
  • 植え替え日:2005/05/14
  • 培養土:鹿沼土3、赤玉土2、桐生砂1、十和田砂1
  • 撮影日:2006/06/30

    [メモ]
    イワギキョウは根茎の発達が良くそこから新しい芽を作る。写真は2006年、2回目の植え替え後のもの。 思ったより生育がよいので各ポット(7.5cm)に3株ずつ植えた。
  • 【3年目】
  • 植え替え日:2006/06/05
  • 培養土:鹿沼土3、赤玉土2、桐生砂1、十和田砂1
  • 撮影日:2007/07/25

    [メモ]
    タネ播きから3年で花を咲かせた。

  • 【再実験とまとめ】
    1. その後再実験(実生3、4、5)を行いっている。実生2では3年ですべて開花した。
    2. 実生3と実生4では30%が満1年で開花している。
    3. 実生3のデータを次に示した。播き床は基本用土で中間に少量のマグアンプKを置いた。
    4. タネ播き日が1ヶ月早まったことで年内の生育も早まり、また発芽苗への肥料効果があり満1年で開花したものと思う。
    人工授粉日種子採種日タネ播き日発芽確認日植え替え日開花日
    2009/07/11,132009/08/062009/08/072009/08/252010/05/102010/07/19

    【開花株のその後】

    イワギギョウの開花株の命は短いようである。開花までは順調でも、開花すると老化するのか根腐れで死んでいることが多い。夏の暑さが苦手なのかも知れない。 丈夫なチシマギキョウとの大きな違いである。従って毎年花を楽しむには、実生を繰り返すのが安全である。

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