ツツジ科イワナシ属 Ericaceae Epigaea L.
イワナシ Epigaea asiatica Maxim.

イワナシの花(青森市浅虫)

イワナシは春一番に咲く常緑のツツジ科小低木。青森県の場合、イワナシは海岸低山から八甲田山の亜高山帯まで広く分布している。 混交林下の水はけ良さそうな斜面に多く、地を這いながら生育している。春先の開花時には日がさすが、樹木の葉が繁るとほとんど日のささない環境。 イワナシの鉢栽培は昔から難物の一つとされてきた。そこで今回、種から播いて実験してみた。

【実生】
  • タネ播き日:2006/07/30。
  • 播き床:ミズゴケ
  • 撮影日:2007/06/13

    [メモ]
    7月25日採種した種子を採り播きした。播き床はミズゴケに絞った。当年中の発芽はなく、年を越して4月下旬〜5月上旬の遅い発芽を見た。
  • 【2年目】
  • 植え替え日:2008/04/23
  • 培養土:基本混合用土
  • 撮影日:2008/08/22 [メモ]
    成長が遅く2年目に植え替えた。一部にミズゴケをつけて植え替えている。植え替え後4か月の状態を示したが、植え替えでやや成長している。鉢は6.5cmプラ5連結鉢。
  • 【3年目】
  • 植え替え日:2009/04/17
  • 培養土:基本混合用土4、ピートモス1
  • 撮影日:2009/05/26 [メモ]
    3年目の状態を示した。鉢は8.5cmプラ4連結鉢である。
  • 【4年目】
  • 植え替え日:2010/04/07
  • 培養土:基本混合用土
  • 撮影日:2010/06/22 [メモ]
    4年目の状態を示した。鉢は9.0cmプラポットである。山草会会員に一部を分けたので残りは8株となった。 これからは過湿と日の当てすぎに注意する必要があると思う。
  • 【5年目】
  • 撮影日:2011/04/18 [メモ]
    5年目で8株中1株が開花した。

  • [まとめ]
    1. イワナシの実生は思ったよりはやさしかった。栽培が難しいとされたのは、昔は「山取り」に頼ったためと思う。
    2. イワナシの播き床はミズゴケが良い。採り播きしても年中の発芽はなかった。ツツジ科植物としては遅い発芽に属する。
    3. 発芽苗の植え替えは、幼苗に力をつけ2年目に植え替えた。5年目に一部が開花、6年目には続々と開花した。実生開花株の勢いは良く剪定が必要となっている。
    4. イワナシ栽培のコツは水はけを良くすること、遮光に気を配ることにある。平地の鉢栽培では3月下旬から花を咲かせる。
    5. 挿し木については今後実験を続ける。

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