キンポウゲ科センニンソウ属 Ranunculaceae Clematis L.
ミヤマハンショウヅル Clematis ochotensis (Pall.) Poiret

ミヤマハンショウヅル(早池峰山)

ミヤマハンショウヅルの実生は難しい部類に属する。初年発芽率は、私の実験では20〜30%であった。 まき床は発芽後の生育が良いミズゴケが混合用土より優れている。発芽幼苗は遮光し水切れにしてはならない。 ミヤマハンショウヅルは、岩場のやや腐食な林床下に根を張り、他の樹木につるを絡ませてのび、花はつるの上部につく。 植物体の上部は日光にあてても、根元(鉢)は涼しくする。

【実生1】
  • タネ播き日:2002/10/14
  • 播き床:ミズゴケ
  • 撮影日:2003/05/04

    [メモ]
    発芽率は30%くらい。本葉が出たら植え替えるが、しばらくは双葉のままである。植え替え用土は鹿沼土、赤玉土、桐生砂、十和田砂の混合用土。
  • 【2年目】
  • 撮影日:2004/06/29

    [メモ]
    この個体は最も成長したものである。多くの個体は成長が止まったような状態が続いた。 幼苗への遮光が十分でなかったこと、培養土に混じた十和田砂に問題があったと思う。十和田砂は軽くて便利だが保水性が悪いようだ。
  • 【4年目】
  • 撮影日:2006/07/13

    [メモ]
    次に4年目の生育の比較を示す。良く生育したものから、昨年のタネ播きかと勘違いしそうなものまである。
    写真左の苗が、5年目(2007年)につるを絡ませ一つだけ花を咲かせた。下にその写真を掲載した。
  • 【5年目】
  • 撮影日:2007/06/11

    [メモ]
    私の初回実験では、最もうまくいったもので実生5年目に開花した。

  • [まとめ]
    1. ミヤマハンショウヅルの種子の発芽は寒さを過ごす必要がある。
    2. 播き床床はミズゴケでよい。
    3. 発芽率は私の実験では20〜30%であった。発芽苗は双葉の状態を続ける。
    4. 植え替えは発芽当年にできるとは限らない。植え替え幼苗は遮光し、水切れにしてはならない。
    5. つるののびるのは3年目以降となり、開花は4〜5年目以上となる。
    6. なお再実験の成績と、挿し木の成績は「高山植物の実生2」に掲載する。

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