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実生1は失敗例といえる。種子は2005年の秋に知人が採種し、封筒に入れて保存していたものである。 その種子を2006年5月中旬に頂いた。すぐ播いたがその年は発芽してくれず、2007年にようやく3粒が発芽した。 発芽はしたが小苗は貧弱で、生育は遅れ順調とはいえなかった。発芽に1年遅れ、成長にも1年以上遅れている感じである。 完熟した種子をなるべく早く播くのが原則。最初の出だしが悪いと後々まで尾を引く一例を示した。 |
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【実生1。失敗例】
[メモ] 5月中旬まで室温保存の種子である。暖かくなってからのタネ播きなので期待はしなかった。当年の発芽はなかったが、2007年春になって3粒の発芽を見た。 種子の発芽に再度の寒さを過ごさせる必用があった例である。 |
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【実生1−2。3年目】
[メモ] 3年目の状態。後ろが7.5cm駄温深鉢、前の2つは6.0cmプラポット。 |
【実生2。再実験】 実生1は良い例でない。そこで自家採種の種子で再実験をした。ヤシャビシャクを青森市の平地で栽培すると、花は4月中旬〜下旬に咲く。スグリ属なので果実は液果。 種子の適正採種時期が分からず液果が茶色になるのを待ったが、液果はなかなか変色しなかった。秋も深まった11月に入ってから採種したが、完全な褐色ではなく少し早いかと思ったくらいである。 しかし果実を潰し中を観察したところ、種子は多数で熟していた。熟するまでは6か月以上かかったことになる。 なお種子は採り播きした。当年中の発芽はなく、年を明けて多数の発芽がみられた。間引きをして植え替えている。 |
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【実生2】
[メモ] 写真は【実生1】(左)と【実生2】(右)の比較。【実生2】は2年遅れなのに大きさはほとんど同じで色艶が良い。実生1は種子は良かったが、播くのが遅れた失敗例。 山野草の実生は良い種子をなるべく早く播くのが良い。種子の入手が遅れた場合でも入手次第播く。種子を厳寒中に入手した場合でも、寒さを過ごさせたら春一番に播くのが良い。 タネ播が遅れると、発芽も1年遅れとなったり発芽後の生育の劣るものがあるからである。 |
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【実生2−2】
[メモ] 鉢は8.5cm四角4連結鉢である。生育に勢いがあり、来年は開花を期待したい。 |
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【実生2−3】
[メモ] 手元に残った4鉢全てが開花した。ヤシャビシャクは順調に行くと、タネ播4年で開花するようである。 |
【挿し木】 ヤシャビシャクは挿し木が容易である。挿し木の時期は入梅まで、挿し床は鹿沼土で良い。 挿し木をした木はすぐ花をつける。山草家にとって実生の必要性は少ないかも知れない。下にヤシャビシャクの実生、挿し木を参考として掲載する。 しかし写真からも知られるように、実生がうまくいった場合は、実生が挿し木に勝るとも劣らないことが知られた。 |
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挿し木1 | 挿し木2 |
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[まとめ]
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