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ヨツバシオガマは、やや湿り気のある高山草原に生える。半寄生植物といわれ、テキストブックでも栽培不能となっている。私も今まで混合用土やミズゴケに種を播いてみたが失敗した。
発芽し本葉を出す個体もあるが、植え替えても成長せず消えた。腐葉土を加え地植えにしても生育しなかった。 ヨツバシオガマの自生地付近には、大抵イネ科植物が生えている。そこで半寄生の相手はイネ科植物ではないかと考えた。 あらかじめピートモスと完熟腐葉土加混合用土で培養したコメススキの鉢を用意、その根元に播いてみた。 あてにしていなかったが翌春おびただしい発芽が見られた。そして本葉も出て生育は順調のように見えてきたので半寄生の相手はイネ科植物であることを確信した。 なおヨツバシオガマに関しては、「高山植物の実生2」にも掲載する。 |
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【実生1−1】
[メモ] 基本用土に完熟腐葉土、ピートモスを加えた培養土で培養したコメススキの鉢の根元に播いた。翌春ほとんどの種子が発芽した。本葉も出て、いきいきと生育しているようにみえる。 |
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【間引きと植え替え】
[メモ] 発芽率がよく込み合っているので、大幅な間引きをした。間引いた小苗の5株を、上記用土でコメススキと共に植え替えた。 なお鉢は2.5号(7.5cm)プラポット鉢である。 |
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【1−2】
[メモ] 年が明けて大いに期待したが、親鉢に生き残ったのは数株であった。またプラポット鉢に移植した5株中生き残ったのは1株であった。 イネ科が半寄生の相手なのは確かと思うが、コメススキ以外の相性の良いイネ科植物を探しさらに実験を継続する。 |
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【満2年目】
[メモ] コメススキの鉢での満2年目の生育状態を示した。本来なら消えてしまうはずなのに成長している。ヨツバシオガマはやはりイネ科の植物と共生しているようだ。 |
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【満3年目】
[メモ] コメススキの鉢での満3年目の生育状態を示した。ムツノガリヤス鉢へのタネ播き生育より劣るように感ずる。 [メモ] 2010年度は炎天の猛暑が続いた。暑さ対策(涼しい日陰に、鉢を移すべきだった)を油断したため、この鉢のヨツバシオガマは夏越しできなかった。失敗である。 |
【実生2】 実生1は経験不足と油断から親鉢、ポット鉢ともに失なった。こんなこともあろうと実生2も開始していた。 あらかじめ発芽させておいたコメススキの実生鉢に、ムツノガリヤスの鉢に播いて発芽させたヨツバシオガマの間引き小苗の移植である。 コメススキ数本を1株(鉢)とし、間引きしたヨツバシオガマの1株を共生させ3鉢を作った。その結果ヨツバシオガマの生育は順調に見えるが、共生したコメススキには下枯れが見られる。 コメススキとヨツバシオガマを共に生育させると、過湿になるためではなかろうかと思われる。 |
コメススキ | ヨツバシオガマ |
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[メモ] 播き床の中間にごく少量のマグアンプKを入れた。コメススキは約10日前後で発芽する。 |
[メモ] ムツノガリヤスの種子は2007/09/11日に、基本用土2、腐葉土1ピートモス1の用土に播き発芽させた。そして2008/04/09日に7号鉢に植え替えていたものである。 |
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【実生2。2年目】
[メモ] 鉢はプレステラ105。ここではコメススキとヨツバシオガマの組み合わせであるが、同時にムツノガリヤスとヨツバシオガマの組み合わせも平行実験中である。 |
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【実生2。3年目】
[メモ] 3鉢中1鉢は失敗消滅した。2011年は4月植え替え後、6月に2回目の植え替えをした。暑さ対策の鉢増しである。写真の鉢は4号、4.5号駄温深鉢である。 最終植え替え用土は基本用土3、完熟腐葉土1、ピートモス1、少量のマグアンプK、完熟油粕を用いている。 |
【実生2。4年目】
[メモ] 2011年は9月に3回目の植え替え(鉢増し)をした。鉢は4.5→5号と4→4.5号。2012年度は撮影時点で植え替えていない。 実生3(「高山植物の実生2」参照)が開花したので、その撮影が終わり次第植え替える予定。 今にも咲きそうにまで成長したが、こちらは今年も開花しなかった。 |
[ここまでのまとめ・整理]
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