サクラソウ科サクラソウ属 Primulaceae Primula L.
ユキワリコザクラ Primula modesta var. fauriei (Franch.) Takeda

ユキワリコザクラ(八甲田山地。撮影;工藤盛三氏)
ユキワリコザクラ(八甲田山地。撮影;工藤盛三氏)

ユキワリコザクラは青森県の場合、八甲田山系の岩壁に生えている。一方ユキワリソウは下北半島の海岸に近い岩壁に生えている。 またミチノクコザクラは高山瓦礫の雪田を好み、ヒナザクラは高山湿原に群生する。それぞれの生育地は異なり、実生と繁殖の研究には欠かせない基礎知識である。
さて学名にあるフォリエーは、有名な採集家・フォーリ神父(フランス人)にちなむものて思う。 フォーリ神父は青森市に住んで採集していたので、神父が八甲田山系で採取した標本がユキワリコザクラのタイプ・ロカリテーではなかろうかと思われる。

【実生】
  • タネ播き日:2008/03/22>
  • 播き床:@混合用土。 Aミズゴケ
  • 発芽確認日:2008/04/27
  • 撮影日:2008/08/24

    [メモ]
    @混合用土とAミズゴケの両者に播いた。混合用土では多数発芽したが、ミズゴケでは1粒だけ発芽した。 ただミズゴケに発芽した1株は成長良く、2008/07/13日に植え替えている。
  • 【1年目開花】
  • 植え替え日:2008/07/13
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2009/04/26

    [メモ]
    ミズゴケ床で発芽した1株は、春の植え替えをしなくても花茎をのばし満1年で開花した。
  • 【2年目開花】
  • 植え替え日:2010/04/27
  • 植え替え用土:基本用土、蝦夷砂
  • 撮影日:2010/05/02

    [メモ]
    混合用土に播き発芽した株もすべて開花した。14株中2株に白花品がでた。 ピンクの花を咲かせた12株は、葉の形がやや異なる2種?が出たので、2種類の種子が混じっていたのかも知れない。

  • [まとめ]
    1. 種子は取り寄せ種子である。発芽率はミズゴケ床より混合用土床の方が良かった。発芽後の生育は混合用土よりミズゴケが良かった。
    2. 用土床での発芽後の生育率が劣ったのは、ミズゴケ床より肥料成分が乏しいからと思われる。
    3. ユキワリソウとユキワリコザクラは岩場を好む。播き床は混合用土が良い。その場合元肥が必要となる。
    4. まれに実生満1年で開花することもあるが、普通は実生2年に開花する。
    5. 今後は県産の種子でも実験を重ねたいと思っている。

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