マメ科オヤマノエンドウ属 Leguminosae Oxytropis DC.
エゾオヤマノエンドウ Oxytropis japonica var. sericea Koidz.

エゾオヤマノエンドウ(大雪山。赤岳)

種子は開花後20日くらいで熟す。播種した種子は必ず覆土する。発芽苗の根は土中に入るのが不器用なので、浮きあがった根は土中に誘導したり盛り土をする。 なおマメ科植物の生育には、根粒菌の存在が欠かせない。植え替え時は、古い用土をつけて植え替える。 私の実験では2年で開花した。これはレブンソウと似た経過である。
オヤマノエンドウは栽培困難の高嶺の花と思っていたが、種から播けば開花可能を知った。一般に高山植物を平地で栽培すると老化が早い。開花株は2、3年で老化が始まると思われる。 従って毎年花を見るためには実生を繰り返すか、株分け(私は行ったことはない)の研究が必要。

【実生】
  • タネ播き日:2008/07/18
  • 播き床:基本混合用土
  • 発芽確認日:2008/07/25
  • 撮影日:2008/08/29
  • 植え替え日:2008/09/01

    [メモ]
    種子は人工授粉をして採種、採り播きした。種子が良かったのか発芽率は良く、約1週間で多くが発芽している。発芽してからは毎日観察し根の浮き上がりを防いだ。
  • 【1年目】
  • 植え替え日:2009/04/18
  • 植え替え用土:基本用土1、蝦夷砂1、桐生砂1、十和田砂1
  • 撮影日:2009/05/29

    [メモ]
    植え替え後の状態を示した。鉢はプレステラ90型。
  • 【2年目。開花】
  • 植え替え日:2010/04/29
  • 植え替え用土:基本用土1、蝦夷砂3
  • 撮影日:2010/05/16

    [メモ]
    鉢増しの植えをした。9株中3株が開花している。

  • [開花株のその後]
    1. 開花株を長持ちさせるのは難しいようである。(青森では)何とか花が咲かせたが、開花までが比較的順調だったということは、老化も早いということであろう。
    2. この植物は夏の暑さも苦手のようである。ことに2010年は異常な暑さだった。エゾオヤマノエンドウのみならず、一見夏越しは成功したかに見えた多くの高山植物が根腐れている。
    3. 今回の私の実生実験エゾオヤマノエンドウ9株中、夏を越して生き残ったのは1株だけで他は根腐れた。
    4. 寒地以外でも開花まではやれるのがわかった。しかし研究のための実験は別として、特別な設備のない場合は好んで挑戦するのは薦められないと思っている。

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