実生苗の処分


発芽苗のプラポット鉢は、播種した種子の種類の増加と共に増える。私は開花の段階で一区切りと考えていたが、山野草は開花まで数年かかるものが多い。 また開花後も観察は必要であり、再実験の必要なものも生ずるようになった。狭い栽培場は苗木ですぐいっぱいとなり、実生苗の制限・処分は避けて通れない。 以下私が行っている実生苗の制限・処分につき述べてみたい。

  1. 播種数の制限
    分かっていてもなかなか実行しがたいのではなかろうか。 実生を始めると、あれもこれもと手を広げたくなるのが人情。私もいかに制限するか悩みの種。 最近は目標を定め、その決着がつくまで、新規タネ播きには手をださないようにしている。

  2. 植え替えの制限
    発芽苗数そのものの制限も必要となる。そのためには間引きと、植え替え数の制限である。 現在私は植え替え数を5株〜20株に制限、もったいないけれども他は廃棄している。 ただ植え替え制限を行うと、生育の良い強い株だけを植え替えることになり、変わりものは捨てることになる。 私の実例として、手持ちのエゾノツガザクラの種子から、親とは似つかわない白っぽい変り種が1株生まれている。 また「斑入りミネズオウ」の種子を播いたところ、色々な程度に「斑入り」として発芽した。 このような場合は発芽した全てを植え替えるようにしている。

  3. 生育株の処分
    • 寄与
      実生株の一部をまず山草会の希望者に分けている。同好の志に寄与するのは、栽培技術の上達に連なり一番好ましい処分である。
    • チャリテー
      山野草の展示会を行うと見学者から栽培方法、増殖方法を聞かれ、時には株分け等を所望される。 青森山草会では希望者に答えようと、「チャリテー募金箱」を用意し山草を分け与えている。

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