イワウメ科イワカガミ属 Diapensiaceae Schizocodon Sieb. et Zucc.
イワカガミ Shizocodon sodanenelloides Sieb.et Zucc.(再実験)

初回実験では開花まで6年かかった。イワカガミ実生のおおよその知識は得たので、今回は生育を早め、開花までの期間短縮を模索するため再実験を開始した。 各々の実験鉢は種子採取日とタネ播き日が少しずつ異なるが、ほぼ同一条件と考えて良いだろう。以下5種類の鉢で実験を行い継続中である。 なおタネ播き鉢は、アップルウェアー社製「プレステラ95型」(対角9.5cm)に統一した。

実験名タネ播き床種子採取日タネ播き日発芽確認日
実験Aミズゴケ2008/08/282008/09/072008/10/08
実験Bミズゴケ2008/09/042008/09/072008/10/08
実験Cミズゴケ2008/09/052008/09/072008/10/08
実験Dミズゴケ2008/09/142008/09/162008/11/10
実験E混合用土2008/09/142008/09/162008/11/10

実験A(ミズゴケ)
実験D(ミズゴケ)
実験E(混合用土)

  1. 実験A、B、C、Dの播き床はミズゴケ単独である。
  2. 実験Eの播き床だけが混合用土(基本用土3、ピートモス1)である。
  3. 撮影日はいずれも2009/06/25日である。
  4. 実験A、B、Cでは発芽率と生育率に大差なかった。
  5. 実験Dは生育がやや遅れているが、タネ播き日が10日遅く、また込み合っているためかも知れない。
  6. 実験Eは発芽率も生育率も著しく劣る。播き床はミズゴケの方が良い。以下次の実験に移る。

  
実験名植え替え間引き元肥追加日
実験A2009/07/01     
実験B2009/07/01     
実験C    2009/07/012009/07/01
実験D    2009/07/012009/07/01
実験E       2009/07/01

  1. 実験A、Bは生育が良く、4連結鉢(対角8.5cm)に4株ずつ植え替えた。 ミズゴケに根がからんでいたので、根を傷めないよう一部ミズゴケをつけたまま植えた。 用土は基本用土3、腐葉土1、ピーモス1である。ただし「ふるい」で微粒は除いたので、腐葉土とピートモスは半減している。 なお鉢底ゴロ土の上にはマグアンプKを4粒置いた。
  2. 実験C、Dは植え替え可能であったが、20株まで間引き、元肥としてマグアンプK5粒を鉢中間に埋め込んでみた。
  3. 実験Eは小さすぎ植え替えは無理である。元肥としてマグアンプK5粒を鉢中間に埋め込んだ。

【満3年目での比較】
  • 植え替え日:2009/07/01(実験A、実験B)
  • 植え替え日:2010/05/11(実験A、実験B、実験C、実験D)
  • 植え替え日:2011/04/26(実験A、実験B、実験C、実験D、実験E)
  • 植え替え用土:基本用土3、蝦夷砂1、マグアンプK
  • 撮影日:2011/08/14

    [メモ]
  • 実験A、実験Bは満1年で初回植え替えができた。
  • 実験C、実験Dは満2年で初回植え替えをした。
  • 実験Eは初回植え替えまでに3年かかっている。
    その後の生育状況は、ミズゴケ床播きの実験A、B、C、Dの間に大差がなくなった。 用土播きの方は植え替えまで3年かかったので、その分生育が遅れているのを示した。写真向かって左が実験D、右か実験Eである。
  • 【満4年目で開花。実験C】
  • 植え替え日:2012/04/23(実験A、実験B、実験C、実験D、実験E)
  • 植え替え用土:基本用土3、蝦夷砂1
  • 撮影日:2012/05/17

    [メモ]
    6号駄温平鉢に3〜4株ずつ上記用土で植え替えた。なお鉢底には少量のマグアンプKを置いた。その後実験Cの一株が花茎をのばし開花した。4年で開花したのは初めてである。

    実験Bでは5年目で開花した1株が出た。写真は省略する。

  • [まとめ]
    1. 青森市の場合、鉢植えからの採種は9月上旬〜中旬となる。種子は採り播きすると、年内に一部発芽する。
    2. 播き床はミズゴケ床がベスト。ミズゴケに採り播きすると、翌年には1回目の植え替えができるが、間引きをして発芽苗の根を充実させ2年目に植え替えた方が良い。
    3. 私はプレステラ95に(又は9cmプラポット)に、1鉢につき3〜4株ずつ植え替えることにした。3年目にも鉢増し植え替えをし、4年目には6号駄温平鉢に植え替える。 開花まで4〜5年に短縮できることが分かった。
    4. 実生苗は単独での鉢植えでも良いが、草もの盆栽の寄せ植えにして楽しんでいる。なおイワカガミの栽培のコツは、遮光気味に育てる必用があることを付けくわえる。

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