キンポウゲ科センニンソウ属 Ranunculaceae Clematis L.
ミヤマハンショウヅル Clematis ochotensis (Pall.) Poiret(再実験)

初回実験(実生1)と、今回の実験(実生2)とを対比し、概略を一覧表で示す。なお初期実験デターに一部不備がある。

実験No.タネ播き日植え替え日開花日
実生12002/10/142004/04/?2007/06/11
実生22006/11/012008/04/22     
  1. 播き床はミズゴケ、用土いずれでも良いが、ミズゴケの方をすすめたい。
  2. 採り播きしても発芽は冬を越した翌春となる。
  3. 発芽1年目は双葉までがほとんど。従って植え替えは2年目春となる。
  4. 幼苗は遮光して育てる。また水切れにも注意する。
  5. 初回実験(実生1)では、最もうまくいった例で開花まで5年かかった。今回(実生2)は4年で咲くことを期待したが・・・。
  6. 3年目でのび始めた「つる」をいじり過ぎたのが悪かった。1年でのびる「つる」が1〜2節で成長が止まり花が咲かなくなった。 原種のミヤマハンショウヅルは気難しい植物、クレマチス園芸種のようには行かないのが分かった。

【実生2】
  • タネ播き日:2006/11/01
  • 撮影日:2007/05/30

    [メモ]
    再び@ミズゴケ、A混合用土に採り播きした。翌春発芽し、発芽率は20%くらいであった。 遮光して様子を見ていたところ、6月に入り本葉もでてきた。なお発芽後の生育はミズゴケの方が良い。
  • 【実生2。植え替え】
  • 植え替え日:2008/04/22
  • 撮影日:2008/08/26

    [メモ]
    基本混合用土に植え替え、遮光して管理した。機嫌よく生育した。なお鉢は9.0cmcmと10.5cmプラポット鉢である。
  • 【実生2。3年目】
  • 植え替え日:2009/04/08
  • 撮影日:2009/06/01

    [メモ]
    再実験(2回目)となると、要領も分かり生育は順調。その後2010年にも植え替えたが、絡んだ「つる」をいじり過ぎたためか成長が止まり、4年目、5年目も花は咲かなかった。 ただし山草会会員に分けた株では花が咲いているという報告があった。


  • 【挿し木】
  • 挿し木日:2008/06/29
  • 挿し床:鹿沼土
  • 撮影日:2009/06/02

    [メモ]
    ミヤマハンショウヅルは挿し木もできる。実生苗木から3本の挿し穂を取り挿したが1本だけ成功した。 挿し木には、良い挿し穂を取れる親木が必要。
  • 【挿し木。2年目】
  • 植え替え日:2010/05/02
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2010/06/25

    [メモ]
    植え替え鉢は3号駄温深鉢である。
  • 【挿し木。3年目】
  • 植え替え日:2011/04/28
  • 植え替え用土:基本混合用土3、蝦夷砂1。
  • 撮影日:2010/06/25

    [メモ]
    ミヤマハンショウヅルは根をいじったり、つるを乱暴に取り扱うと成長が遅れるようである。なるべく根を温存して新しい用土に植え替えた。植え替え鉢は5号駄温深鉢である。
  • 【挿し木。4年目、開花】
  • 植え替え日:2011/10/12
  • 植え替え用土:基本混合用土3、蝦夷砂1。
  • 撮影日:2012/05/28

    [メモ]
    2011年秋にその年2回目の植え替えを行った。明けて春からのび始めた「つる」を、支柱を組みなおし自然に絡ませたところ4年目で開花した。 支柱は絡まりやすいように植物のそばに立てる方が良い。クレマチス園芸種と同じく考え、最初から外側の支柱に無理に誘引すると失敗する可能性が高い。

  • [まとめ]
    1. ミヤマハンショウヅルは挿し木もできる。本例では3本挿し1本しか発根しなかった。挿し木の時期が遅すぎたのではと思っている。
    2. 挿し床は鹿沼土であったが、ミズゴケでも実験してみたいと思っている。
    3. 「つる」がのび始めたら、無理な誘引をしてはならない。なるべく自然に絡ませるのが成功の秘訣と思う。

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