リンドウ科リンドウ属 Gentianceae Gentiana L.
ミヤマリンドウ Gentiana nipponica Maxim.

【再実験】
ミヤマリンドウの実生は難しい。種子が悪いと発芽率が極端に悪く、また発芽してもその後の生育は芳しくない。 栽培方法を間違っているのかと思ったりする。ここでは再実験を行っているのでその成績を述べる。

【実生4】
  • タネ播き日:2008/09/16
  • まき床:ミズゴケ
  • 発芽確認日:2008/10/27
  • 撮影日:2009/05/29
  • 【実生5】
  • タネ播き日:2008/09/16
  • まき床:混合用土
  • 発芽確認日:2008/10/11
  • 撮影日:2009/05/29

  • [ここまでのまとめ]
    1. 播き床は、ミズゴケ(実生4)と混合用土(実生5・基本混合用土2、ピートモス1、腐葉土1、富士砂1)の両者で行った。
    2. 混合用土(実生5)の場合、有機質を加えると発芽率が良くなった。
    3. ミズゴケ床(実生4)では2008/10/27日に、用土床では2008/10/11日に、若干の発芽を確認した。両者とも年を明けて多数発芽した。
    4. 発芽後の生育はミズゴケ床(実生4)の方が良かった。 用土床の発芽苗の生育を良くするためには、用土の中間にあらかじめ緩行性化成肥料を入れると良いらしい。
    5. ミズゴケ床(実生4)の小苗の生育が少し良いので植え替えることにした。
    6. 用土床(実生5)の発芽苗はすぐ植え替えず、マグアンプKを埋めてもう少し様子を見ることにした。

    【実生4−2】(通常植え替え)
  • 植え替え日:2009/06/29
  • 植え替え用土:混合用土
  • 撮影日:2009/07/23
  • 【実生4−2】(挿し芽)
  • 挿し芽日:2009/06/29
  • 挿し床:ミズゴケ
  • 撮影日:2009/07/23
  • 【実生5−2】(植え替えはもう1年後)
  • 植え替え:(−)
  • 撮影日:2009/07/23


  • [メモ]
    【実生4−2】(通常植え替え)は、根をなるべく切らず植え替えた後の写真である。
    1. 植え替え用土は基本用土3、腐葉土1、ピートモス1、バーク堆肥1で鉢底にマグアンプKを置いた。 潅水時の土の跳ね返り防止には、十和田砂1と基本用土1の細粒を用いている。
    2. リンドウ類は根が張る。植え替え時ミズゴケが根にからんで手間がかかった。
    3. 7.5cmプラポットになるべく根を切らず4株ずつ植え替えた。
    【実生4−2】(挿し芽)は、発芽リンドウ小苗の挿し芽である。
    1. 植え替えと同じ小苗5株を、根を1cmまで切りつめ@ミズゴケ、A混合用土に挿した。
    2. 挿し床の中間にマグアンプKを数粒置いた。
    【実生5−2】(植え替えはもう1年後)
    1. 混合用土床(実生5)に発芽した小苗の生育状態を示した。込み合ってきたので間引きが必要となっている。
    2. 植え替えには小さすぎるので、もう1年待つことにした。

    【実生4−3】(通常植え替え)
  • 植え替え日:2010/05/16
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2010/10/02
  • 【実生4−3】(挿し芽)
  • 植え替え日:2010/05/16
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2010/10/02


  • [メモ]
    【実生4−3】(通常植え替え)
    1. プレステラ95に最も発育の良い4株を植え替えた。植え替え用土は基本用土で鉢底にマグアンプKを置いた。
    2. 植え替え後の生育は挿し芽より劣った。
    【実生4−3】(挿し芽)
    1. @ミズゴケ、A混合用土共に発根したが、ミズゴケ挿しの方の生育が良かった。7.5cmプラポットに1株ずつ植え替えた。植え替え用土は基本混合用土である。
    2. 植え替え後の生育は挿し芽の方が良かった。

    【実生4−4】(通常植え替え)
  • 植え替え日:2011/04/27
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2011/08/06
  • 【実生4−4】(挿し芽)
  • 植え替え日:2011/04/27
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2011/07/00
  • 【実生5−4】(植え替えは2年目)
  • 植え替え日:2010/05/16
  • 植え替え日:2011/04/27
  • 植え替え用土:基本混合用土
  • 撮影日:2011/08/06


  • [メモ]
    【実生4−4】(通常植え替え)
    1. 生き残った3鉢中、1鉢が開花した。鉢はプレステラ95である。
    【実生4−4】(挿し芽)
    1. 5鉢全てに花芽がつき開花した。
    2. なおミヤマリンドウは勢いがつくと叢生する。叢生株から大き目の挿し穂をとり鹿沼土に挿してみた。5本挿したところ2本に花芽がつき開花している。鉢はプレステラ105である。
    【実生5−4】(植え替えは2年目)
    1. 用土床に播いた発芽苗は、モズゴケ床に播いた発芽苗に比べ発育がおくれた。初回植え替えは2年目であった。
    2. 比較として現在の状態を示したものである。
    「まとめ」
    1. ミヤマリンドウは難物の1つである。種子が完熟していないと発芽率、生育率とも極端に悪くなる。
    2. 播き床は用土よりミズゴケの方が良い。特に発芽後の生育はミズゴケが良く、用土だと植え替えまで2年かかったが、ミズゴケだと1年目に植え替えできた。
    3. 植え替えは用土に植え替えることもできるが、以後の生育は挿し芽より著しく劣る。
    4. 自然界ではあり得ないことだが、発芽苗の根を犠牲にして挿し穂をとり、挿し芽をするのが良い。挿し床として私はミズゴケを用いた。鹿沼土でも同じであろう。
    5. 挿し芽をすることで、3年で開花した。
    6. なおミヤマリンドウは勢いがつくと叢生する。それから5本の挿し穂をとり挿したところ、2本が当年中に開花している。

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