サクラソウ科サクラソウ属 Primulaceae Primula L.
ユキワリソウ Primula modesta Bisset et Moore

ユキワリソウ(下北半島。撮影;沼田)
ユキワリソウ(撮影;工藤盛三氏)

サクラソウ科のユキワリソウは、キンポウゲ科のミスミソウ(別名雪割草)とよく混同される。両者は全く別のもので青森県に雪割草は自生していない。 ユキワリソウは本州、四国、九州に分布する。地域によって異変が多く、いろいろの名で報告されている。
葉の下部が急に狭くなって柄状となり、葉の縁が強く反り返るものを、ユキワリコザクラという。本州北部、北海道に分布し、これも産地によって異変が多いという。 例えば夕張岳のものをユウバリコザクラ、礼文島のものをレブンコザクラという。
さて種子のカタログ・リストに恵山ユキワリがあった。恵山は青森県下北半島の自生地と対岸にあり、同じものではと思い取り寄せて播種した。

【実生】
  • 種子は取り寄せ種子(恵山ユキワリ)
  • タネ播き日:2008/03/22
  • 播き床:@混合用土。Aミズゴケ
  • 発芽確認日:2008/04/27
  • 撮影日:2008/08/24

    [メモ]
    混合用土とミズゴケの両者に播いたが、混合用土に播いた方の発芽がよかった。
  • 【2年目・開花】
  • 植え替え日:2010/04/27
  • 植え替え用土:基本用土、蝦夷砂
  • 開花撮影日:2010/05/02

    [メモ]
    恵山ユキワリは満2年で5株中5株すべて開花した。 なお対岸の青森県下北半島に産するユキワリソウとは、花弁の幅が広く葉柄の基部がより細くなることから、少し違うのではないかという印象を受けている。

  • [まとめ]
    1. 播き床は混合用土でよい。種子は播いて約1か月で発芽した。植え替えは2年目に行い、その年のうちに開花した。
    2. 恵山ユキワリは下北半島に産するユキワリソウに比べ、花弁の幅が広く葉柄の基部がより細かった。
    3. なお下北半島のユキワリソウは、地域の植物分類に詳しい根市益三氏(八戸市在住)によると、ヒダカユキワリに近似という教えを受けている。

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